博士課程14日目
朝起きてTLを眺めていると,こんなツイートが流れてきた.
皆さま、実際に聞いてみてください。
— Izumi Ohzawa 大澤五住 (@izumiohzawa) April 13, 2019
ブラックホールの画像化記者会見 @NSF
Event Horizon Telescope Press Conference. First Image Of a Black Hole.https://t.co/LaOjKRY1O3
1:14:00 あたりで、Junya Yamaguchi というNHKの記者が、日本の貢献について聞いていて、こっちが恥かしかった。
記事はこちら.
記事を読んだ.動画も見た.なるほど,確かに笑われている.また,上のツイートのリプ欄は「NHKの記者はなぜこうも恥知らずなのか?」といった内容で溢れていた.
NHKの記者の質問は,「今回の成果に対して,日本がどのように貢献したかを詳しく教えてほしい」というものだった.うーん,国際的な場でするべき質問ではないような気もする.
まず最初に思ったのは「そんなの論文読めばわかるじゃん」ということだ.しかし,こんなところに取材に行くレベルの記者が,関連する論文を読んでないわけがない.おそらく,どのような返事がもらえるか大体わかっていて質問したんだろうと思う.
ではなぜそんな面倒なことをしたか?それは,「日本人が気軽に英語で学術論文やニュースを見て,日本に関する情報を抽出できないから」ではないだろうか.
日本の科学者は,日本の税金で研究を進めることが多い.したがって,(せめて名誉な賞をもらったり,大きな発見をしたときくらいは)国民に説明する責務がある.
論文を出版しているんだから読めばいい,英語のニュースを見ればいいではダメなのだ.税金を納めているのは日本人であり,日本人の多くは英語が苦手である.多分,論文の読み方もよく知らない人が多い.
全体としてどのような研究成果があって,その中で日本のチームがどのように活躍・貢献したかを一言でわかりやすく説明するのは,論文を読むだけではなかなか難しい.だからこそインタビューしたのではないだろうか.
もちろん,日本のチームにインタビューすれば済む話だろうが,それもすでにしているだろう.その言質を取る必要があったのではないだろうか.
全部僕の憶測だし,NHKを擁護するつもりもない.やっぱりあの質問は恥ずかしいと僕も思う.ただ,頭ごなしに叩くつもりもない.日本人の学術的教養の低さが故の質問だった可能性があるからだ.みんなで反省会だ.
日本の記者には,日本の記者なりの責務があるのかなと思っただけの話.
頑張ろ.